危険極まりない幹部自衛官の「国民の敵」発言   「自爆する若者たち」

山新潟県知事の辞職は残念でした。せっかく、原発再稼働にブレーキをかけている人でしたのに。まさか、例の「原発ホワイトアウト」の世界じゃないでしょうね。ハニートラップまでいかなくとも、どこかに○○村の手があるんじゃないかと勘繰りたくなります。米山さん、脇が甘すぎですよ。権力と対立する場合には特にどこからも付け込まれないようにしないと。原発反対派や再稼働慎重派は、後継者の選挙で再び勝利して、再稼働にブレーキをかけましょう。今度は、立憲民主党原発ゼロを鮮明にしています。立民を中心に、野党共闘で頑張ってほしいと思います。

久しぶりに暖かい(というより暑いに近いかな)気候に誘われて、原町のスタンデイングに参加してきました。

相馬からの応援組も含めて11名の参加でした。

通行人と話し合いになった人もいました。
いつものやつに「そだね」を入れてみました。

あたらしいプラカードも作りました。この一件は、極めて危険な兆候です。

現職の若い自衛隊幹部が国会付近の路上で、民進党国会議員に「お前は国民の敵だ」と罵倒したそうです。この民進党議員は、安保法制反対に一種懸命な人だったようです。

これは極めて危険な兆候だと思います。自衛隊は組織として、政治的意見を持ってはならないはずです。極端な話を言いますと、もし国民が何らかの理由で、自衛隊解散を決定すればそれに従って、解散してもらわなければなりません。自衛隊は、嫌だと国民の意思に逆らうことは出来ません。
市役所職員が、ある政策で自分と考えの違う市会議員に「お前は市民の敵だ」といったらおかしいでしょう。市役所職員や自衛隊員は、市民や国民の代表ではありません。市民や国民の意思に従う公務員です。ましてや自衛隊は特殊です。日本では、警察と並んで独占して武器を持つことのできる国家の暴力装置なのです。こんな行動が拡大して、国家の意思を暴力で物事を決めるようになったら大変です。

この自衛官は、「集団的自衛権行使が正しい故安保法制に賛成」という考えなのだと想像します。自衛官も、個人として様々な意見を持つのは当然です。安保法制に賛成な政党に一票を投ずる権利はあります。しかし、個人の考えを自衛官として表してはまずいです。小野寺防衛大臣は、自衛隊員にも各人の考えがあっていいと言っています。しかし、この人は、個人として活動してはいません。自衛隊員として、国会議員に圧力をかけています。しかも「国民」の名前をかたって議員をといっています。いつ彼は国民の代表になったのでしょう。・・・小野寺大臣は、彼を厳しく処罰すべきです。また安倍内閣総理大臣は、文民統制の立場から、小野寺大臣の重い監督責任問い、彼を罷免すべきです。

若い一自衛官の行動ですが、こんな風潮が一部にでもあったら、危険な兆候です。戦前の青年将校たちの行動を思い出さねばなりません。厳しい処分と自衛隊内の再教育をお願いします。


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刺激的な題に惹かれて、グナル・ハインゾーン「自爆する若者たち」という新潮選書を読みました。
著者はブレーメン大学終身教授で、この本は、2003年に書かれたものです。2001年の米国同時多発テロに触発されて、彼は、このテロの背景を探っていきます。

彼は、イスラム圏出身者によるテロの背景は、貧困や宗教的主張(イスラム原理主義)ではなく、イスラム圏の若者の爆発的増加にあるといいます。若者(特に男子)は、自分の居場所を求めて行動しますが、彼らを満足させるポストは絶対的に不足します。それがテロの背景だと言います。

さらに彼は、多くの歴史的事象も人口増、特に若者人口の激増から説明していきます。例えば、大航海時代は、西ヨーロッパの人口爆発の圧力が起こしたものー故郷で地位を得られない若い男子が新天地での富・権力・地位を求めたものだ、などという主張です

社会事象を人口から考えるこの本は、なるほどと思うことが多々ありました。日本の高度成長も戦後のベビーブームが背景にあると思います。日本の1990年代以降の停滞は、若者の減少が大きな原因でしょう。

しかし、人口の増減だけで、社会的事象の説明は出来ないでしょう。筆者は、1931年からの日本の台頭(満州事変)を日本の人口増加から説明していますが。しかし、掲げられている表を見て、その時点で日本に極端な人口増があるようには、私には見えません。通説的満州事変の歴史解釈、つまり、「世界恐慌→世界でブロック経済形成→日本は生き延びるため中国支配」という説明の方が、説得力があると思いました。また、幕末以来の中国進出論・中国蔑視も大きいと思います。(家永三郎太平洋戦争」を読んでそう思いました)

マルクスが生産力と生産関係ですべてを説明しようとして説明しきれなかったように、人口論ですべてを説明できないのは当然です。それでも、人口圧力=若者の居場所求めという視点は極めて重要な視点だと思います。

1960年代末から70年代初めの学生運動は、ベビーブーマーの居場所探しで、その後数十年を経て居場所を得た彼等の、現状への安住が、現在の中高年の「右傾化・現状維持志向・高度成長の夢追い=成功体験から抜け出せない状態」を作っているのかなと思いました。