鹿島散歩(3)1½政党制は絶妙だった、自民党は賞味期限切れ、野党よ、「おいしくなーれ」

今日は真野川沿いに北の方に散歩しました。

真野川です。遠くの山並みは阿武隈山地です。

真野川の源流は、原発事故の時、ひどい放射能汚染で、全村避難となった飯館村です。汚染地域から流れるこの真野川は、現在でも魚・エビ・蟹・貝類採取自粛なんです。もう11年以上も経つのにです。相馬双葉地区は、山菜類・タケノコ・キノコ類・猪なども出荷ができません。豊かな山川でしたのに。

こんな看板が立っています。

この川のヤマメ・ウグイは、食べたことがありませんが、小鮎は何べんも食べました。

義父が釣ってきたものを唐揚げで食べました。うまかった。

もっとうまかったのは、「モズクガ二」のガニマキなるものです。モズクガ二をつぶしたものに、豆腐やネギやミツバを入れたお汁です。しょうゆ味かな。数度しか食べたことがありません。恐ろしくうまかった。

 

今はこの川で魚やエビやカニを獲る人はいません。

 

も少し北の方に歩いていきますと、古墳群があります。

写真が悪いですねえ。円墳の群です。この写真で5つほど視野に入れたつもりなのですが、木が生えているものをを含めて3つしか見えませんね。

三つ並んでいるのが見えるでしょうか。田植えまじかの田んぼの中の円墳です。このあたり大小8つの円墳が確認できます。

古代のこの地方の豊かさが想像できます。きっと真野川が運んだ土壌がその基盤なんだろうと思います。古墳は、もっといっぱいあったのだと思います。長い年月のうちに田畑にされたのでしょう。

 

この古墳群を見て私は、家族を想像します。一族かな。大きな古墳は一族の長。小さな古墳は若くして死んだ子供のお墓だったような気がします。この中には戦いで死んだ人のお墓があるかもしれません。しかし、大和政権の権力(覇権)が及んでいれば、平和な生活だったと思います。

 

パクス=ヤマトーナ?

 

東西冷戦終結後のパクス=アメリカーナがうまく機能して、その中で国連の強化で来ていたらなあ。無念です。アメリカが、アメリカ流を押し付けたのが悪かった。パクス=ユナイテッドネーション(国連の覇権による世界の平和)が欲しい。

しかし現実の国連の体たらくを見ますと、「日暮れて道遠し」ですね。冷戦終結時の米国と日本と欧州が国連を強化してたならなあ。ロシアは弱ってて、中国はまだ低姿勢だったのに。長蛇を逸す。

遠くに見えるブルーシートは、3月の震度6でやられた家屋の屋根です。被害は甚大でした。私の相馬市が一番ひどかったと思います。新地(相馬市の北)や南相馬では、旅館がすべて営業再開しているのに、相馬では7割がまだ営業してないという記事が地方紙にありました。

 

町に戻ってきました。

自民党鹿島支部という看板がかかっています。写真は、倉庫の方が大きくなってしまいました。

自民党・・・。

ひどく乱暴な言い方をすれば、名称の変遷や離散集合はありながらも、江戸時代後半にに端を発し、明治以降日本の政治・経済・社会を牛耳った地主・資本家の政党です。昭和には、軍部に同調し世界と戦い、国民に甚大な戦争の惨禍を与えました。しかし戦後は米国に従属して不死鳥のように復活した政党です。良くも悪くも近代日本を運営してきた政党です。

 

戦後は、GHQ草案を原則的に受け入れ、現憲法をつくった中心の政党でもあります。その党は、憲法改正を党是としています。きっと、不本意だったのでしょうね。いま改憲のチャンスとして情熱を燃やしています。

 

 

今日は憲法記念日憲法は75年目です。昨日は相馬でスタンデイングをしてきました。

10名参加でした。掲げたプラカードの一つは、これです。(ほかは、ロシア侵略反対、核共有反対。近頃新しいのを作ってません)

(再掲)

改憲を目指す人は、「憲法は理想主義、現実に合わない」と言います。私は、理想主義を「目標を目指す生き方」と考えています。

人間誰だってある目標を持って生きてるんじゃないですか。

偉くなりたい、お金持ちになりたい、趣味を充実させよう、尊敬される人間になりたい、家族を持ちたい、健康長寿・・・・。

 

憲法だって同じです。日本国家の理想の姿を示して、「現在および将来の皆さん、この理想に向かって頑張りましょう」、と言っているのが憲法です。私は憲法の掲げる理想(目標)は、日本国にとって良い目標と思ってます。「憲法の理想を実現しよう」というプラカードです。

 

憲法は未完のプロジェクト」

恐らく永遠に未完のプロジェクトです。民主主義が永遠のプロジェクトのように、自由や人権が永遠のプロジェクトのように。平和主義が永遠のプロジェクトのように。

 

 

5月3日は、憲法記念日であるだけでなく、義父の命日です。義父は、昭和20年6月から8月、17歳で「震洋」特攻隊(ベニヤボート特攻艇乗組員)として、出撃を待ってました。辛うじて戦争が終わり命拾いをしました。戦後は、農業改良普及員として働き、政治的には、熱心な社会党支持者でした。直ぐ上の兄貴(もと憲兵)が、長く鹿島町議会の社会党議員だった影響もあったかもしれません。

 

自衛隊廃止論者であった高校生の私を、実父(50年前死亡)は、侵略されたらどうすんだと否定し、議論をしたことがありました。その父も「選挙では社会党に入れてんだ」とボソッと言ったことがあります。

 

かつて日本社会党という有力な政党がありました。

 

戦後日本は、自民党長期政権が続きました。それは、2大政党制に対して、1½政党制と言われました。1は、自民党ですが、½は、社会党でした。社会党は、外交安保政策では、非武装中立を標榜していました。これは、戦後の多くの日本国民の「戦争は嫌だ」という素朴な気持ちを代弁するものでもありました。この気持ちは、1950年~51年の全面講和論、1960年・70年の安保闘争等、日本社会の底流にあったものでした。彼等のよりどころは、憲法9条=戦争放棄・軍備放棄・国の交戦権否認でした。それは、日本の自民党政権と米国政権を揺るがすものでもありました。

 

 

それを包摂し、あるいはそれを利用し、自民党政権は、米国と安保条約を結び、軽武装・経済発展中心でやってきました。自衛隊は合憲であると解釈し、充実させてきました。それを国民も認めてきました。

 

かつての自民党は、「専守防衛」「海外派兵禁止」「武器輸出禁止」「防衛費1%以内」「非核三原則」「文民統制」等、軍事には抑制的でした。それを長年守ってきました。

 

自民党軽武装・経済重視政策は、高度成長から安定成長、40余年に及ぶGDP世界2位、世界有数の長寿・安全な社会、平和国家ブランド=信用や信頼をもたらしました。

 

勿論、公害・自然破壊・男女差別・沖縄差別・米国従属・東アジア諸国との軋轢等様々な問題はありましたが、全体としてはうまくやったのだと思います。この意味で1½政党制は絶妙でした。

 

今や社会党は消滅しました。非武装中立の理念を持つ政治勢力は消滅しました。

 

一方自民党は、「専守防衛」を実質放棄(1999年周辺事態法、2015年安保法制)、海外派兵禁止も実質放棄(2001年テロ特措法・2003年イラク特措法等)していきました。

 

2022年現在自民党は、「敵基地及び敵中枢攻撃能力を持ちたい」「防衛費GDP2%使いたい」なんて言ってます。

 

 

敵基地や敵中枢攻撃能力を持つと、先制攻撃も可能になります。敵に何らかの動きがあった場合、「やられる前にやれ」となる可能性があります。それは侵略です。国連憲章違反です。憲章は、侵略された場合のみ、かつ国連安保理が動く前に限って、自衛権行使(個別的・集団的)を認めています。勿論軍事力以外で解決が大原則です。「やられる前にやれ」は、国連憲章違反です。

 

またすべての敵基地なんて攻撃できません。やり返されます。戦争の惨禍が起きます。

さらに相手も同じ能力を拡充します。軍拡競争です。相手もやられる前にやれと思うでしょう。極めて不安定な恐怖の軍事抑止力です。

 

 

危険この上ありません。

 

 

 

かつての軍事に抑制的な自民党は消えました。

現在自民党は、軍事に前のめりになっています。軍事費で現在世界の9位、評価は分かれますが、自衛隊の軍事力は、世界の5位から10位です。軍事大国なのにもっと欲しいなんて、・・・狂い始めました。ロシアや中国やアメリカのようになりたいんですね。軍事力で問題を解決したいんだ。そういうのって軍国主義と言うのではないでしょうか。

 

そういえば、だれか「普通の国」になりたいなんて言ってたな。安倍だっけか?小泉だっけか?石破だっけか。

 

こういう自民党では、日本の軍国主義化に歯止めをかける手段として、9条を守らねならないと思います。安保条約も日本軍国主義防止のため必要かも、とまで思います。

(私は、もともと安保条約廃棄論者です)

 

 

「瓶のフタ論」は、正しいのかもしれません。

 

 

軍事力で劣勢のウクライナは、宣伝力・外交力でロシアと対等に戦ってます。「侵略は悪い」という世界の世論を味方にしました。

 

 

軍事力でしか考えられない、宣伝力とか外交力とか道義力とかを考えることのできない自民党はもはや、「良き日本をつくる」政権担当能力をなくしていると思います。

 

この30年、日本のGDPは大して伸びず、一人当たりGDPでは、世界3位(1995年)から世界19位(2019年)まで落ちてます(ドル換算名目GDP)。2021年には、ドル換算・購買力平価一人当たりGDPで、世界の36位です。(1995年の順位を、ドル換算購買力平価で見たいのですが、会員登録しないと見れません。)これは、米英仏独伊のみならず韓国=30位にも抜かれています。

 

しかも国だけでも1000兆円に上る借金(世界ダントツ)をしても、この体たらくです。この経済力の衰えは、少子高齢化が主因と考えますので、自民党の責任ばかりとは言えません。しかし、自民党にはそれに対処する能力が数十年間なかったと言えます。

 

 

つまり自民党は、政治・外交・経済上、「良き日本をつくる」という政権担当能力がない、賞味期限切れの政党です。自民党には、政権維持という自己目的的政権担当能力はあります。でもそれだけではまったくダメなんです。公明党は選挙の時「安定こそ力」と言ってましたが、「安定して長期低落や軍国主義化」では困るんです。

 

かつて民主党政権という政権がありました。3年強しか持ちませんでした。彼等には、政権維持という政権担当能力もありませんでした。内部分裂していきました。まあ、運も悪かったけど。

 

民主党政権自民党政権の本質的違いは、政権維持という政権担当能力の有無です。自民党は政権維持能力に長けてます。そのためには何でもします。かつて真逆の社会党委員長を首相に据えた政権まで作りました。政権維持に恐ろしいほど貪欲です。

 

しかし、政権維持という政権担当能力は、意味的に中立(プラスでもマイナスでもないなのです(よき日本をつくるという事には無関係)。大胆に、清水の舞台から飛び降りるつもりで、野党に政権を任せてみましょう(笑)ちと論理の飛躍(笑)。どうせ自公政権では長期低落傾向・軍国主義化が破局まで続きますので。(これは本当と思ってます。)

 

野党政権は、勿論不安定でしょう。しかし、与野党白熱の論戦は期待できます。その中から良いものが出てくるかもしれません。もう自民党に任せておいては、日本はダメになる一方です。

 

野党には日本のあるべき姿について、しっかりした旗を立ててほしいものです。

議席を増やしてあげるから、「おいしくなーれ」「おいしくなーれ」(NHK朝ドラの呪文)、今じゃまずいどころか、食えないよ。

 

魅力ある旗を立てようね。「おいしくなーれ」

野党は、少なくともかつての自民党が持っていた(今は捨てた)軽武装・経済重視の旗を拾ったらどうでしょう。そのほかは、自民党政策の逆を行きましょう。自民党の政策でダメだったのですから。少子高齢化対策は、北欧流高福祉・高負担でどうでしょう。少しは安心して子供を産むでしょう。その財源は、資産家・高収入者への高負担政策です。この財源で若者への投資、成長への投資を行うのです。高負担が嫌な資産家が海外に行くのは、「去る者は追わず」です。

 

 

野党政権については様々異論があると思います。しかし、自民党に、もはや良き日本をつくる政権担当能力がない(外交力なき重武装・攻撃力重視の安全保障=軍国主義化、膨大な借金を重ねても一人当たりGDP伸ばせず、少子高齢化を防げず)のは、明白と思います。勿論もともと人権軽視の政党なのは言うまでもありません。

 

 

まあ、最低こうは言えるのではないですか。

与野党の勢力拮抗は望ましいと。

あ、野党でも「維新」はダメ。維新は、自民と維新伝心ですので同じ穴の〇〇〇と思います。