法よりも力?ー大草原の小さな家・最終話ー

昨日と打って変わって、穏やかな春の日でした。

南相馬のスタンデイングは、相馬からの2人を含めて5名でした。

今日は、4月1日に開催される原発処理水放出に関する講演会の案内を配りました。

案内パンフレットです。

さて本題です。

昨晩NHKBS4Kで、「大草原の小さな家」の最終話を見ました。米国での人気長寿番組の終わり方ってどんなだろう、と思って興味深々でした。

 

割とあっさりした終わり方でした。日本の長寿番組ですと、お別れという感じでウェットな場面というか雰囲気が多いような気がしますが(例えば回想シーン)、「大草原」は、日本語の字幕で長いご視聴ありがとうございましたで、ちょん、です。英語表示でも何もなかったような気がします。うさぎのクローズアップで終わりです。

 

 

最終話は、このドラマの主要な舞台であるウォールナットグローブの町を、この町を造ったみんなで爆破して終わるというのでした。こんな終わり方も面白い。なるほどねえ、と思いました。町を壊してしまえば、皆の心に永遠に残ります。その後の町の変化というのは見なくて済みます。(どうせ、造りものセットだあ、壊される運命。笑)

 

 

何故思い出多い町を爆破して終わるのか。ここから少々ネタバレ。

この町を含む一帯は、(経緯は分かりませんが)、ある資本家のもので、町民は、資本家に立ち退き(または雇われ労働者になる)を命じられます。町民は、町は俺たちのものという事で、弁護士に相談しますが、法律的には、資本家のものでした!

 

ここからが実に興味深い。

資本家の要求は合法的なものでした。ところが町の人々は、合法と分かっても、銃を持って立ち退きを拒否します。最後は騎兵隊が、銃を構えて町民は武装解除をされます。無念な思いを抱えたウォールナットグローブの人々は、自分がつくった家・店・事務所を爆破します。教会を除いてすべて。

ここにアメリカという国の本質があると思いました。

(1)自治の精神

町は、草の根的に人々がつくったものです。故に住民による自治は当然であり、町の独自性は、保証さるべきものという基本的考えが米国にはあります。そういえばアメリカは州自治であり、州憲法民法刑法・州最高裁・州兵も持つ。州は主権国家であり、米国は連邦制なんですね。アメリカ合州国が正しいのだそうです。ロック流の「抵抗権・革命権」を持つ独立宣言のもとにつくられた国ですからねえ。間違った政府は倒すことができる(抵抗権)という精神は、あのトランプ支持者の議会乱入の底を流れているかもしれません。

(今日の毎日新聞に、9州が堆肥葬を合法化という記事が出てました。人の死体を堆肥にしちまうのだそうです。びっくりだ。)

 

(2)法よりも武力重視

ウォールナットグローブの人たちは、資本家が土地権利書を持ってきているのに、

銃で彼らの立ち入りを阻止しようとします。資本家は、より強力な騎兵隊の武力で地元の人たちを従わせます。

 

これはびっくりしました。合法的な権利書に対し、善良なあのウォールナットグローブの人々が武力で対抗する。良識の権化のようなチャールズも銃を持つ。資本家側は。それをさらに強力な武力で鎮圧する。

まず私の頭では考えられないことです。多分多くの日本人は、え、と思うでしょう。

 

これが、米国の本質と私は思いました。最後は、「法よりも力が正義」が生きている。

 

・・・・

話は、大草原のウォールナットグローブから飛びます。以下は、安全保障関連の、現代日本の生きる道についての、いつもの私めの主張です。

 

興味ないあるいはお前の話は聞き飽きたという人は無視してください。

 

結論:武装中立(安保廃止・自衛隊存続・専守防衛のみで戦う)が望ましいが、現状

では、1999年以前の武装同盟(安保存続・自衛隊存続)に戻すのが、安全でお得。

・・・・

戦後、当時ダントツ1強の米国が、国連を作り、国連憲章という法を作りました。しかし米国は、その自分がつくった国連憲章をたびたび無視しました。一番重要な「戦争は、侵略された場合のみ可能」という法をどれほど無視したことか。

 

尤も国連憲章無視は、米国だけではありません。英仏中ソ(ロ)また同様。

 

どの国も「法の支配」なんて言いますが、眉唾ものです。「力による変更を認めない」なんてのもきれいごとでしょう。

 

しかし、だからと言って、「法の支配は必要ない」とか「力による変更もok」は間違ってます。

 

力の強い者たちが、力で物事を決めようとしているから、俺らも力で決めよう、というのは、19世紀末~20世紀初頭に成立した帝国主義でしょう。その結果は、二つの世界大戦でした。

 

あくまでも法の支配を優先に行動すべきです。

 

今は力の弱い国の発言権もあります。

 

戦後日本は、ダントツ1強の米国支配のもと、憲法を作り(作らされ)、安保条約を結び(結ばされ)ました。その憲法と安保のもと、生きてきました。それは矛盾に満ちたものでした。矛盾の中で生きてきました。それが戦後日本の本質です。

 

この矛盾の根本的解決は、憲法改正か、安保廃棄でしょうが、根本的解決を求めず、憲法も生かし安保も生かすという矛盾の中で生きるのも、得策ではないかと思います。

 

しかし現状は、実質的憲法改正が進み、安保に傾きすぎです。

 

憲法も安保も、我らをコテンパンにやっつけ、支配した米国が押し付けたもの。ならば、どちらも生かす作戦、さらに米国や勝利国がつくった国連憲章を生かす作戦が良いと思います。

 

その作戦とは、安倍や岸田が言うのではない、ほんとの専守防衛です。「自衛隊は、自国領及び自国領内の米国が攻撃されたときのみ戦う」(1999年周辺事態法以前)です。これは、国連憲章に合致してます。

 

しつこいですが、

私は、安保条約を廃棄して、力を信奉する米国の戦争に巻き込まれるのを防ぐのが良いと思っていますが、国民の多くはそう思ってないので、憲法・安保を生かして「厳密な意味の専守防衛」で行くのが良いと言っています。つまり、1999年以前の自民党政府のやり方です。

 

幸い日本国は、戦後、国連憲章違反をしてません。日本こそ誇り高く「法の支配」「力による変更を認めない」(戦争は侵略されたときだけしかできないのだから)を言ってよいと思います。

 

尚、周辺事態法や安保法制や敵基地攻撃能力・国防費GDP2%の理由によく言う「東アジアの安保環境の厳しさの高進」とか、世界情勢の不安定化なんて言いますが、ほんとにそうかと思ってます。軍拡のための言い訳と私は思っています。厳しくなったのは、北朝鮮の核保有くらい。

 

キューバ危機の時、中一の私は人類絶滅か?なんて少し思いました。あの時に比べ、現在では、核兵器禁止条約があり、中国も北朝鮮も国連に入ってます。日中平和友好条約があります。

 

ロシアのウクライナ侵略は、歴史的にはかなり緊密な(キーウはロシア発祥の地と言います。支配・抵抗・独立の歴史を長く続けたらしい)関係、数十年間同一国(ソ連邦)、NATOの不手際などの大条件の結果、起きたものと思います。

 

日本国へのロシアの侵略の可能性は低いと思います。

 

繰り返しますが、中国とは、日中平和友好条約があります。1979年以前はありませんでした。これを実質的に強化する方向が良いと思います。日米中ともに経済的に相互依存です。

 

北朝鮮には、金体制保障(南北朝鮮維持=朝鮮戦争終結)・経済援助と引き換えに核放棄・相互不可侵条約・先制攻撃禁止条約を結ぶという作戦です。

 

台湾については、現状維持ダメであれば平和的統一をアシストする方向で行くのが良いと思います。米国に乗せられて、「台湾有事は日本有事」なんて考えるのは大損です。危険です。

その時、米国に梯子を外されますぞ!

台湾については、いつか別に述べるつもりです。