打ち出の小づちを持つ政府?/集団は怖いなあ(福田村事件などについて)

今朝の毎日新聞のトップは、来年度予算の概算要求114兆円である。

昨年の111兆円を上回り過去最大とのこと。

年金・医療等の社会保障費の自然増が5200億円の増加、防衛費が今年度当初予算の17.3%増の7.7兆円、国債の元利払いが今年度より3兆円増の28兆円などが、最大となった原因と言っている。

 

114兆円以外に、お金を示さない事項要求というのがあって、(児童手当の拡充、米軍再編関係、大阪万博関係、マイナカード関係、防衛体制強化)当初予算はもっと増える可能性があるとのことだ。きっと増える。

 

常識的には、予算概算要求を財務省が削って予算をたてるのが普通と思うが、21年度、23年度は、予算概算要求よりも増えている。24年度も要求より増える予測と新聞に出ている。

予算は、2010年代には90兆円台だったのが100兆を超え、110兆円を超えている。

 

いったいどこにそんな金があるんだ。好景気で黙ってても税収が伸びるならいいけど、

好景気という話は聞かない。結局増税か借金だろう。増税が抵抗が大きいと借金だろう。

 

政権維持のため、あれもこれもやる、それは借金でやる、というやり方ならだれでも日本を運営できる。馬鹿でもできる。

 

現在好景気の米国のバイデンは、広島サミットで、借金ができるかどうかで、冷や汗かいた。借金残高対GDP比122%の米国が冷や汗だよ。日本は、対GDP比258%だよ。

 

楽だなあ、日本での政権維持は、ホントそう思いませんか。

 

・・・話は変わりますが(司馬遼太郎さんのまね)

NHKクローズアップ現代の「集団の狂気ー虐殺」(題名不正確)を見ました。

 

ブログ知人の有為自然さんの紹介です。近頃NHKプラスが見られることになったおかげです。(困ったことでもあります)

 

内容は、1923年9月1日の関東大震災での、日本人による虐殺事件についてです。主として福田村事件です。

 

あの大震災の時の流言飛語による朝鮮人虐殺あるいは、権力による反政府運動家の虐殺は知ってましたが、日本人による日本人の大量虐殺事件福田村事件を私は、しりませんでした。

香川県からの行商人集団が、千葉県福田村の自警団により15人中9名が虐殺された事件です。自警団は、東京から逃げてきた被災者の話、政府からの情報で、「朝鮮人が日本人に危害を加えている」と信じ、さらに香川の行商人集団を朝鮮人と考えて、大量虐殺したのでした。

自警団とは、武器を使って、「朝鮮人の暴力」(これはデマでした)から村を守ることを目的とした、村人の自主的集団です。

 

どうしてこんなことが起きたのか。

この事件を長年研究してきた82歳の女性は、次のように言言います。

〇これは官民一体となった事件。警保局が、この流言を事実として伝え、厳しく取り締まれという情報を流した。それによって村人は真実と思い、不安にかられて自警団を組織した。

〇メデイア(新聞)も、デマをそのまま流した。

〇逮捕され裁判にかけられた犯人たちは、「お国のためにと思ってやった」と手柄話みたいに言い、国家のお墨付きがあったと思った。

 

東大教授は、次のように言います。

(これ別番組だったかもしれない。そうだったらごめんなさい)

〇1910年の日韓併合以来朝鮮人が身の回りにも増えた。その後朝鮮人独立運動があり、それを官憲・マスコミは、暴徒とよび、日本人の中に恐怖感が潜在意識の中にあった。この大震災で「やっぱり朝鮮人は」、と思った。

 

またこの事件を映画にした森達也監督は、

〇個人ではこんなことは起こさない。集団形成が問題だ。不安・恐怖があると人は集団をつくり、集団は異物を求める。異物を認識することで多数派を形成し、連帯感を高め、異物を攻撃する。

〇個人が自分を守りたいと思うのは当然で大切だ。そのために作る集団は、家族・親戚・友人・・・やがては、国民・国家となる。しかし、それは、過剰防衛にもなる危険性もある。

と言ってました。

 

当時のこの村の住人であったらどう行動するかと聞かれた、映画出演者の東出は、「どう行動するか分からない」と言いました。桑子アナウンサーは、「傍観者になるかも」と言いました。

 

同調圧力の強いこの社会で、「集団の狂気に対抗して個を維持するためには」、と聞かれた森達也は、

「人間は集団をつくるのは本能だが、集団を主語としないことが大切だ。われわれ、僕たち、会社、NPO,、町内会、・・を主語としてはいけない」

「メデイアリテラシーを持ってほしい。何が正しいのか、を考えてほしい。もの事は多層的だ、視点を少しずらしてみると良い」

「メデイアには政権監視という仕事をしてほしい」「弱者の声を届ける」ことをしてほしい、とも言ってました。

 

この番組では、都知事関東大震災についての態度も紹介していました。都知事は、この虐殺について「歴史家がひもとくもの」と答弁、6年前から朝鮮人虐殺への追悼文を出していないと紹介しました。

 

また、今日の新聞には、官房長官が、「朝鮮人虐殺についての過去の政府の会議(中央防災会議)が報告で虐殺があったことを認定していること」について、「それは有識者が執筆したもので、政府の見解を述べたものではない」「政府内で事実関係を確認できる記録が見当たらない」と答弁したと出ていました。

 

なんとダメな都知事だろう。なんとダメな政府だろう。事実を認めたくないんだ。

過去の事実を認めないと、過去と同じ失敗をする。こんな都知事、こんな政府では、

日本は危ない。

 

NHKのこの番組では、国の中央防災会議のまとめた調査報告書を紹介し、虐殺された人は、亡くなった人の1%~数%と紹介しています。(千人から数千人)

 

また新しい資料として、当時の小学生の作文を紹介していました。(7校、1000人、朝鮮人について触れている生徒80人)そこには、朝鮮人が「鉄砲でぶたれ、首を斬られたのを見た」「頭や顔をずぶずぶ刺された」という記述があったと紹介していました。映像でも紹介しています。

 

さらに、福田村事件について、生存者の、新たな音声資料も紹介していました。「・・・一人に対し15人も20人も襲い掛かり、・・・血しぶきが・・・」

 

NHK立派!

 

これでも、「歴史家がひもとくもの」(都知事)とか、「有識者の執筆」(官房長官)とかいうのか。こんな政治家はやめさせましょう。

 

政権取ったら危ないけど、どうせ政権はとれない。圧倒的に強力な政府に対し、多分臆せず厳しく挑むだろう「れいわ新選組」や「日本共産党」に投票しよう。彼等を強くしよう。投票してない約半分の国民の皆さーん。(「ひょこりひょうたん島」・ドンガバチョ大統領のまね。古いなあ)