ここ、なんだったっけ、/読書感想「手紙」/タイヤ交換

「あれ、ここなんだったっけ」

町中を歩くと、こんなことばかり思う。生まれてから70余年。8年間を除いてずっと暮らしてきた町なのに。前の姿がわからない。

空き地が実に目立つ。

町中心部の恐ろしい過疎化である。

郊外に新興住宅地が出来ているので、ドーナッツ現象はある。がそればかりではない。

2004年3万9千の人口が20年後の2023年は、3万2千である。毎年350人が減少している。

 

商店街が無くなりつつある。

豆腐屋も八百屋も肉屋も魚屋も乾物屋も無くなった。店が無くなった。

かつて商店街が主催した、初売り、七夕飾り、花火大会、案山子祭りが無くなった。

盆踊りが辛うじてある。但し一夜だけ。多い時は、8月に5夜(訂正)もあったのに。

限界集落という言葉がある。小説では「限界国家」というのがあった。これにならえば、限界商店街だろう。

日本の殆どの中小都市は、こんななんだろう。

 

東野圭吾「手紙」

半ばすぎて、「どうも前に読んだな」、と思ってブログを見たが、記事がない。感想を書かなかったんだな。そこで、備忘の為、感想をすこし残す。

ネタバレだが、ミステリーではないので、あらすじを書いておく。

 

強盗殺人犯の弟の苦闘を描く。

高3の彼は、兄の犯罪の為、大学進学を諦めアルバイトをする。しかし、兄の所業がばれてやめざるを得なくなる。高卒時の就職にも苦戦する。職を得た後も兄が服役中という事で苦しい思いをする。その後兄のことで、才能のあった音楽活動も、相思の恋愛も失う。

結局彼は、妻と子の為、月一で手紙をよこす兄に絶縁状を出す。

 

加害者の家族の生活の難しさがひしひしと伝わってくる。

加害者の家族の生き方は、自分が犯罪を犯したわけでないので、正々堂々と生きるか、あるいは、親族の犯罪をひたすら隠し、逃れて生きるか、どちらもむずかしい。この小説は、そこをうまく描写したと思う。

ただ、勤め先の社長の出現と説教が、唐突で不自然と思った。

私が社長というお偉いさんを嫌いだから言うのではない(笑)

 

今日突然タイヤ交換をした。実に5年から6年ぶりである。その重い事、重い事。これは年寄りがやるもんじゃない。

どうしてこうなったか、突然会津方面へ一泊二日の旅行が決まったからである。泊附きの旅行は、何年振りか。分からないぐらい、ずっと前である。

11月30日にタイヤ交換の予約はとってあった。ところが、明後日11月15日に出発である。自動車屋に電話したが、今日と明日は休みとのこと、やむなく老体にムチ打ってタイヤ交換をした。やればできる!でも二度とやらない。