「早く逝ってね」/残念な「建国記念日」

NHK+で、「別れのホスピタル」第二回を見た。(ホスピタルが正確)

進んだ認知症や癌の人達とその世話をする医師・看護師・介護士の話しである。

 

「透明なゆりかご」と同じ原作者と脚本家で、期待して見てたが、話があちこちで、どうも訴える力が弱いと思った。

 

印象に残った言葉は、臨終の夫に対しての、妻の「早く逝ってね」という耳元での囁きである。この女性、19歳の時、夫の「君しかいない」(不正確)という言葉で結婚し、52年生活してきたが、夫は、自分を優先する人で、妻のことなんか考えてなかった人間という設定である。妻は、「夫は、私を自分の手足のように思っている」という。

そういう男もいると思う。

 

夫の認知症も進み、介護生活が長くなって、ホスピタルに入所。夫は、介護士のいう事を聞かず、妻を呼び続ける。妻が世話するとうまくいく。

 

臨終時には、妻は、自分を呼ぶ夫を無視し続け、とうとう最後が、「早く逝ってね」。

 

妻は、「夫を憎んでたのかもしれない」という。であれば、「早く逝ってね」は当然である。

 

私はこの話で驚かない。そういう妻もいるだろう。いやいやながら結婚生活を続けた夫婦もあるだろう。現代の若者の「比較的簡単に離婚する」、というのが、自然にあった生活なんだろうね。いやいやながらより、新しい出発のほうがいい。ただ、子供のことは、うまくやらないとね。

 

「家族は泥沼、それを愛ともいう」という医師の言葉がある。まあ、そういう事もあるだろう。このドラマのテーマは、どうやら家族らしい。

 

話は変わる。

一昨晩、少しがっかりしたことがあった。

私の好きな島田雅彦の「時々、慈父になる」を読んでいて、「建国記念日」と言っていたことである。

 

その部分。

>ミクロ(長男)の出産予定日は、アメリカ独立記念の7月4日だったが、できればこの日を避けてほしかった。というのは、母親の誕生日が2月11日の建国記念日、旧紀元節なので、母と子相和して日米同盟を寿ぎ、自分だけ仲間外れにされるようで気に食わなかったのだ<

あれれ、今日の、肉類をよく買っているスーパーのチラシにも建国記念日とある。

スーパーはしょうがない。しかし、全方位に博覧強記の島田雅彦、シッカリ書いておくれよ。

 

私は、前にもブログに書いたが、「建国記念日」と「建国記念の日」は大いに違って、それは、重要なことと思っているからだ。「の」、には制定の歴史が刻まれていると思うからだ。「の」には、戦後民主主義を壊そうとする自民党に対する、それを守ろうとする人々の戦いと思いが込められていると思うからだ。

 

2月11日は、戦前は、紀元節。紀元つまり日本国の始まりとして祝ってた。国の始まりって何?米国が英国から独立したように、日本が中国から独立?いいえ。明治政府が、
歴史を研究して、紀元前660年2月11日に初代天皇が、即位した日と決めた。

 

なんで天皇が即位した日が日本の始まり?日本列島に初めて人が足を踏みいれた時じゃないの?どういうのが日本のはじまり?まあそれは置くとして、

 

昭和15年(1940年)は、660+1940(西暦)=2600年で、盛大にお祝いをしたらしい。

この年正式採用になった海軍戦闘機が零(れい)戦=ゼロ戦。2601年に採用されたのが一式陸上攻撃機。まあそんなことはどうでもいい。

 

 

ところが、紀元660年に初代天皇即位、これが真っ赤な嘘なんだなあ。卑弥呼だって紀元3世紀。それから1000年近く前に、天皇いるわけないべさ。現在の小学生も知ってるよ。紀元前660年は、縄文時代って。

 

ところがところが、戦前は、この嘘をもとに紀元節としてお祝いしてた。なんせ、大日本帝国は、万世一系天皇これを統治す(明治憲法第一條)天皇主権を正当化するためのでっち上げの嘘が紀元節。今で言えば、フェイク。

 

当然、戦後は紀元節廃止。嘘だから。

 

ところがところがところが、これを復活させようという連中がいた。自民党である。

1960年代後半だっけかな。敗戦後20年もたったんだから、そろそろいいべという事で、

しかし、さすがに紀元節はまずいので、2月11日を建国記念日にしようと画策した。

 

それに大反対したのが、学者連中、キリスト教団体、社会党共産党。知ってる国民も反対した。

 

そこで紀元節とは違いますよ、2月11日は、建国記念日ではなく、建国を記念する日ですよ、という事で、建国を記念する日、即ち建国記念の日として、反対する非国民どもを抑え込んだ。(それだったら、別にほかの日でもいいんじゃない。1月1日とか8月15日とか、5月3日とか)

 

 

まあ、嘘に基づいた祝日ですな。そっかー、自民党、うそつきはDNAなんだね。近頃有名な人いたなあ、嘘つきで。国会で虚偽答弁をさんざんやり、その数を数えられた人が。

 

そういや、ごく最近、もらったお金、記載してませんでした、忘れましたなんて言う国会議員いるけど、それ、嘘なんでしょ。えー、ほんとなの?そんな忘れっぽい人、法律作っていいの?

 

そういや、自民党は忘れっぽいよね。長い間集団的自衛権は行使できませんって言ってたのに、

あ、なんとかいう虚偽答弁王が、いや出来ますって言った途端。即、みんなできる出来るって唱和して・・・法律作っちゃった。ノーミソあるんだろうか?派閥の中には、それおかしい!ていう派閥ないのかい。今までできないって言ったのに。できないという人、誰もいないの、変でしょ。

 

あそうか、派閥って政策集団じゃなく、金あさりと地位あさりの集団だからいいのか。

 

それにしても、自民党。戦後の民主主義を一生懸命壊してきたね。自治体警察廃止、教育委員会公選制廃止、紀元節復活、君が代国歌法、教育基本法改正、特定秘密保護法・・。

 

自由と民主主義が嫌いな自民党。あれ、自民党って、不自由民主党の略だっけ、そんなら、まあいいか。