平成天皇は偉かった。

昨日は、昭和の日だったそうです。

私には、4月29日というと、天皇誕生日です。昭和天皇の生まれた日というわけです。

どんな経緯で、4月29日が「昭和の日」なったか、賛否いろいろあったようですが、忘れてしました。

マスコミも、補選の自民党全廃には注目しましたが、昭和は、取り上げていないようです。昭和も遠くなりにけり。

 

私の手元に、文芸春秋・特別号「大いなる昭和」(永久保存版)という分厚い雑誌があります。ほとんどすべて捨てた中で、残した数少ない雑誌です。

 

昭和天皇が死去した1989年(昭和64年・平成元年)の3月発行のものです。当時の有名な学者・評論家・小説・芸術家の感想・随筆・論説を集めたものです。700余頁という膨大なものを拾い読みしました。

 

内容は、「大いなる昭和」という題名と違い、昭和天皇に関することが殆どです。まあ無理もありません。その年の一月に昭和天皇がご逝去されたからです。

 

筆者たちと昭和天皇の個人的な関係の思い出話や、昭和天皇の死去に触発された感想が多いと感じました。

 

また、論述面では天皇の戦争責任についてが多かったです。戦争責任はなかったという

意見が多いと感じました。

 

私は、法制度上も実質的言動でも戦争責任はあったと思っています。彼が戦争責任を取らなかったことが、戦後の無責任体質を助長したとおもっています。(こう考えるのは、色川大吉「ある昭和史」の影響です。そして彼の論述が正しいと思っています。)

 

昭和天皇のことは、大きいと思うのですが、昭和については、もっと大きい視点が必要と思います。

 

というのは、昭和は、日本歴史上かつてない敗戦・占領・国のあり方の大変革を経験しました。戦後は、大国(米英仏ソ中印)が経験した戦争を経験せず、他国を脅しもせず、経済の隆盛を極めた(最高値は、世界のGDPの18%を占めた、平成6年)という事です。ここに日本国民の生きるよすががあると思っています。

 

よすがの根本は、「経済的に落ちぶれても、日本国家(日本国民)の意志として他国人を殺さなかった」、と私は思います。武器輸出特に戦闘機輸出などもってのほかと思ってます。

そこで昨日も、

このプラカードを持って、地元のスタンデイングに参加してきました。連休なのか、われら夫婦以外は3名と、地元では少なかったです。

参考の過去記事

 

a0153.hatenablog.com

 

 

敗戦も戦後の平和・経済隆盛も天皇ではなく、日本国民全体の行動の結果です。この雑誌では、大いなる昭和と言いながら、この視点がありません。やむを得ないでしょう、昭和天皇の死去に関する文章ですから。

 

私は、昭和天皇重篤になった時や死去前後のことを思いだします。自粛自粛で重苦しい雰囲気でした。まるでこの世の終わりが来るみたいな雰囲気もありました。馬鹿みたいだと思いましたが、それで片づけられない何かがありました。

 

ここを考えるとき、平成天皇はものすごく偉いなあ、と思います。

 

現平成上皇は、政府自民党の意に逆らって、自分の元号である平成を自分の意志で閉じました。平成天皇の死去が、あの昭和天皇の時のような重苦しい雰囲気を、あるいは大騒ぎをもたらすことはありません。

 

彼自身が、天皇を利用しようとする勢力に、利用されることを嫌ったのだと思っています。御立派でした。そしてありがとうございます。