さわやかな風の吹く憲法記念日に

今日は寝坊しまして、午前9時ころから散歩に出ました。少々暑い感じでしたが、実にさわやかな風が吹いておりました。さわやかな現憲法にふさわしい風です。

 

風に吹かれて私は、自分の高校の先輩鈴木安蔵(中学時代)を少し思っていました。

 

鈴木安蔵は、戦前には治安維持法違反第一号の名誉(笑)を受け、牢獄で憲法学に目ざめ、明治の自由民権運動を研究した人でした。その後もしばしば官憲弾圧にあいます。

 

戦後は、「憲法研究会」の若手の専門家として、その会の憲法草案の起草をしました。ご存知の通り、GHQが現憲法の草案を作る時参考にした一つです。

 

植木枝盛中江兆民の明治の民権運動は、ルソー等の社会契約説に影響を受けたものです。この社会契約説に依拠して作られた国家が米国です。

 

ですから、GHQ=米国が「憲法研究会」の草案を参考にするのは当たり前です。出所が同じ社会契約説なわけですので、自然なことです。

 

日本国憲法に表現されている思想は、欧米市民革命の思想の根っこ、社会契約説にのっとったもので、現憲法は、市民革命の嫡子と言えます。これが戦後民主主義の背骨です。

 

GHQ占領政策の転換(日本を共産主義の防波堤にする、そのため岸信介など戦前の指導者を厚遇、その結果憲法の基本=個人主義を敵視)に対抗すべき日本国民は、力不足でした。戦後民主主義は、その根っこが次第に崩されていきました。

 

それでも、戦後民主主義は、生きていると思ってます。うれしかったのは、安保法制反対運動の中でのSealsの活動でした。今彼らの姿は見えませんが、何処かできっと息づいているでしょう。それに刺激された私たちのスタンデイングにも戦後民主主義は生きていると思います。

 

数年前、「鈴木安蔵を讃える会」が南相馬を本拠地として結成されました。彼が生涯をかけて発展させようとした民主主義をさらに発展させようという会です。現在の会員は、391名で、鈴木安蔵を讃える会ニュースは23号になっています。ここにも戦後民主主義は息づいています。

 

今拡声器から声が聞こえます。原発反対の人たちの街頭宣伝です。

 

街頭に出て意見を言う、意見を表明する、これも民主主義の一つの姿と思います。

 

政府・自民党という権力に対して、まことに微力ですが、そして対抗できる組織作りには失敗し続けていますが、また多数派を形成する道筋(これが最大の課題)も見えませんが、後に続く者を信じて走る(井上ひさし)のは無理でも、私は、とぼとぼ、風に吹かれて、歩いていくつもりです(笑)

 

戦後民主主義の担い手たちは、多数派を結成する道筋を見つけられませんでした。私達も今のところそうです。でも灯を絶やさなければ、いつかは、その道筋が見えると思ってます。

 

実はこんなこと書くつもりはありませんでした。なぜ書いたかと言いますと、ブログ知人のcangaelさんの今日のブログに刺激されてなのです。憲法記念日に因んで・

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憲法記念日に因んで・・・ - 四丁目でCan蛙~日々是好日~

cangael様、ありがとう。そして微力でもお互い頑張りましょう。