びっくりというか、自分がものを考えなく、マスコミなどを鵜呑みにしていたことをしっかり認識させられた。
著者は武田邦彦氏。
一番なるほどとおもったのは、地球温暖化で南極・北極の氷が解けてツバルなど海抜の低い島が海没するというウソ。確かに南極の平均温度が−40度から−35℃になったからって氷は溶けないし、海に浮かぶ北極海の氷が融けたからって海面が上昇しない。(アルキメデスの原理)では、あの良く放映される氷が崩壊するシーンは一体何だ。
そのほか
○温暖化の結果東京でマラリヤ→マラリヤの流行は衛生状態による
○温暖化の結果コメが取れなくなる→コメはもともと亜熱帯の作物
○熱帯の生物多様性を見てもわかるように、もっと温かい方が生物にとって良い。また二酸化炭素を取り込んで生物は繁栄故に二酸化炭素はもっと出すべき。
○ダイオキシンの毒性は非常に低い
○トキは、大型肉食のため、人間が増えればぜつめつするのは当然。
○米・サツマイモ・日本人も外来種。
○ごみを減らすためのリサイクル・分別→分別しても同じように焼却・ペットボトル一本リサイクルするのにペットボトル3本作るぐらいの石油使用。
などなど目からうろこがいっぱいあった。
一方尚武田氏の言説に疑問をもったのは、
○ドームで街を包むことになる→建設・維持に膨大な資源・エネルギーがかかるのでは
○高潔だった20世紀前半の日本人→それはおかしいだろう。戦争で他国民に迷惑をかけているんだから
○無駄な環境問題に取り組んだ結果企業の収益性が悪くなり、空洞化が起き日本の若者の失業問題→グローバル競争、円高、機械化という原因の方が空洞化をもたらしたと思う
など
一番感動したのは、集団性を持つ多細胞生物は、本来自分の生命と全体の生命がそれほど区別がつかないという認識です。五木寛之の「大河の一滴」を思い出した。仏教にもキリスト教にもこんな考えがあるねえ。「火の鳥」も思い出した。