日本が言うから、信頼して武器を差し出すんだ。

瀬谷ルミ子「職業は武装解除」という本を読んだ。(2011年、朝日新聞出版)

瀬谷氏が生い立ちから現在やっていることまでを自伝風に書いている。と言っても
まだ現在37歳。日本紛争予防センターというNPOの事務局長をしている。

彼女の仕事は、武装解除の仕事だ。

彼女が活躍したのは、ルワンダ、シェラレオネ、アフガニスタンコートジボアールケニア南スーダン、バルカン地域等である。

これらの地域に共通するのは、紛争である。彼女は、こんな地域で、武装勢力武装解除、避難民の生活安定、和解への道を探る。

身分は、外務省職員、国連ボランテイア、国連職員、NPO職員等様々だ。

読んでみて、すごいなあと思った。殺し合った民族の幸せのために働くなんてすごいと思う。武装勢力武装解除の方法を探り、実施するなんてホントすごいと思う。

日本人の誇りである。

表題の、「日本が言うから、信頼して武器を差し出すんだ」とは、アフガニスタンの兵士言葉である。そのあとは、こう続く。「アフガニスタンの民を無差別の殺したアメリカやイギリスに言われたら、ぶっ殺してやる。」

日本の戦後平和外交の財産が大きいと改めて思った。

それを安倍政権は、捨てようとしている。集団的自衛権行使容認である。それは、軍事力による解決である。
それがうまくいくこともあるだろう。うまくいかないこともあるだろう。たとえば、憎悪の連鎖。平和的解決でないと解決不能ということもあるだろう。
戦後の日本は平和的解決を目指す国であった。安倍政権は、それを捨てようとしている。

それは、人類の一つの道を捨てることだ。

瀬谷さんは、最後に言う。

「まだ、日本に進むべき選択肢が複数のこっていて、新たな選択肢を私たちが自らの手で作り出すことができるうちに。」