自衛隊の活動を拡大させるな

「今日から1月3日まで休みでうれしい」という気分は、朝の新聞を見て吹き飛んだ。

朝日新聞トップは、「政府が、他国軍後方支援に恒久法」ということだ。同新聞によると
新法は、
(1)侵略国に対する安保理決議で武力制裁の場合、対テロ有志連合武力行動の場合
(2)派遣時に戦闘が行われていない場合
(3)政府が計画を作り国会の承認を得られた場合(事前か事後か書いていない)
(4)自衛隊は、後方で物資輸送など直接武力を伴わない活動を随時できる恒久法
という内容のようだ。
同時に政府は
(5)周辺事態法廃止を狙い
防衛省幹部は、
(6)武器弾薬提供、戦闘準備中の軍用機への給油・整備も自衛隊にやらせたい
とのことだ。
その目的は、同新聞によると
(7)中国の台頭で緊張感が高まる日本周辺の安全保障に米国をつなぎとめる狙い
とのことだ。

私は、新法に以下の点で反対である。
(1)立憲主義の立場から
日本国憲法条文の解釈からは、もっともゆるく解釈しても(無理して解釈しても)
自国領土が侵略された場合のみしか自衛隊は活動できないと思うので、1999年成立の周辺事態法も憲法違反であり、ましてその拡大版である新法は明らかな憲法違反。
憲法改正をしない限り、作っちゃいけない法律である。つくっても無効の法律である。
(2)戦争平和数直線で考えると・・戦争の方へ一歩進めるか平和の方へ一歩進めるかで考えると
(A)侵略国の武力制裁やテロへの武力制裁なので、軍事力による抑止力は、無関係。故に数直線はどちらにも動かない。
(B)1999年周辺事態法も予想される新法も、「後方で物資輸送で直接武力を伴わない」とのことだが、敵側からは兵站と見られ利敵行為と見られ、攻撃される可能性がある。それに応戦すれば、戦闘行為を発生し、場合によっては、戦争となる。戦争へ一歩進める。
(3)損得勘定から
損の面
(A)海外での自衛隊の活動は金がかかるので損。ましてや、弾薬・給油を与えるのも損
(B)上述のように戦闘行為の可能性が高くなり、自衛隊員死傷の場合もあるので、その補償面で損。
(C)自衛隊員死傷の場合、自衛隊員の退職も増える可能性があり、募集等で給料を上げる必要もあり、損。死傷が増えれば、辞職者が増える可能性もあり徴兵制の可能性もありうるので損。その場合、徴兵制の制度運営にカネがかかり損。
(D)日本は危険を冒さない、カネばかり出す国というせっかくの悪評判をなくして損。→これは使った方が良いと思う。
(E)日本は、武力以外で貢献すると言う良い評判を失って損。
(F)韓国が警戒を高める。(同国は集団的自衛権行使に警戒感表明)
得の面
(A)日本は、危険をある程度冒しても、国際貢献するという評判を得る→国際貢献は軍事力ばかりじゃあるまい。
(B)アメリカと一体感が持てる。安心。アメリカに恩を売って守ってもらえる。
→こうしないと米が守らないと言うのは安保違反。1999年以前は守らなかったのか。アメリカに恩を売って守ってもらおうって恥ずかしい。心配なら中国ともうまく付き合う方策を考えるべき。どうせ抜き差しならない国なんだから。本格的戦争は難しい。双方とも。しかし、北朝鮮イスラム原理主義勢力は、場合によっては、核ミサイル・核テロの可能性あると思う。それは軍事力で防ぐのは困難。
(C)日本も「軍事力を行使して、発言力を確保する国一人前のくに」へ近づける→一人前は軍事力だけでは決まらない。
(D)日本も国連安保常任理事国になれる可能性を高める→ならなくていい。

私の損得勘定結論
日本は、厳密な自国防衛以外では軍事力を行使できない国と言う比較的特殊な国(非武装国家も30近くある)であり続けた方が得。その条件が日本にはある。侵略戦争をした経験と憲法と原爆の被害がある。

こういえばいい「日本国は、戦前に侵略戦争で他国民にも自国民にも甚大な被害を与えた。戦争はいけないと良く良く知った。原爆の悲惨な経験で現代の戦争は不可能と知った。福一原発事故で、たとえば原発をテロでやられたらおしまいと知った。武力以外の解決で探るのが、わが日本国民の道である。勿論軍事力が最後の決めてと言う考えもあろう。我が国は違う道で世界に貢献する。平和的手段で平和的解決の道である。国連憲章に表れた戦後の世界の理想の、一国での具現化が日本国憲法であると日本国民は考える。たとえ米国の押しつけであろうと、国民はその理想の道を選んできた。これからもこれで行く」と。

(4)私の道徳観から
自衛隊員の命を危険な目にあわす場合は、そういう場面をできるだけ避けるようにすべき。日本国領域を武力侵略された場合のみやむなく戦ってもらおう。その場合も国民は、そんなことにならぬよう努力すべき。

アーあ、また同じこと言っちゃった(苦笑)。嫌になる(ホント)半日つぶしたぞ。反日じゃないぞ(笑)。俺は愛国(笑)。
国会で真面目に議論やれよ。学者も評論家もしっかりやって欲しい。裁判官もしっかりやれよ。俺は、単なる無力な田舎の高齢新参者で、国論の形成に何の力もない。