現在の日本は、積極的に国際平和に貢献している

安倍安保法制に賛成の人は、「一国のみの平和追求ではまずい、積極的に国際平和に貢献すべき、そのために自衛隊を海外へ」と言います。

この場合、(1)現在の日本が一国のみの平和を追求している国か、(2)自衛隊を海外に派遣することが、国際平和に役立つかどうかと言うことを考えなければなりません。

(1)ですが、日本は現在過分なぐらい国際平和に貢献していると思います。国際平和のための最大の国際機関である国連の分担金は、ずっと世界2位でした。今もそんなものでしょう。これが国際貢献でなくてなんでしょう。しかも1位の米国が色々文句を言うのに対して、日本はおとなしくお金をだしています。常任理事国でもないのにです。常任理事国が自国の利益から、さんざん文句を言っているのにです。借金大国の日本がです。もうこれだけで国際平和に、過分に貢献しています。そのほか国際機関に積極的に協力しているのは、言うまでもありません。民間でも国際貢献をしているのは言うまでもありません。
自己主張もせずおとなしく過分なお金をだしている日本に、「金だけでなく自衛隊も出せ」と言う国もあるようですが、言うことを聞く必要はありません。ベトナム戦争イラク戦争は、不正義の戦争でした。そんな国の言うことを聞く必要はありません。

(2)について。場合分けが必要でしょう。
(あ)PKO活動について
PKOは、国連平和維持活動と言うように国連の活動です。PKOには、自衛隊組織以外で協力しましょう。自衛隊と別組織を作ってです。たとえばPKO協力隊と言う名でです。自衛隊は、自国が侵略された場合の武力行使=戦争遂行の国家意思を実行する組織であり、国連の意思のもとの活動組織であるPKOとは違います。勿論このPKO協力隊に自衛隊員が構成員となっても構いません。
(い)国連が侵略行為と認めた国への武力による制裁の場合
考えやすいところでは、イラクによる「クエートへの侵略」であると国連が認めて起きた湾岸戦争がこれに当たります。あの時日本は、自衛隊を派兵しませんでした。憲法上、海外派兵はできないからでした。代わりにお金を一杯出しました。それでもイラクの侵略から解放されたクエートの感謝の対象から外れたと言うことが、国民・外交官・政治家のトラウマになったと言われます。今回の安倍安保法制の遠因といえるかもしれません。

今回の安倍安保法制が通ったとしましょう。そのもとで湾岸戦争と同じ出来事が起きたとします。どう政府は判断し、国会はどう判断するでしょうか。この法制でも多国籍軍への参加は認めていません。法制上では、現に戦闘が起きていないところで多国籍軍への自衛隊による物資輸送・燃料供給・武器提供などをする可能性はあります。そうなった場合を考えます。
この活動に参加する自衛隊への攻撃も想定されます。そうなれば自衛隊も防衛上反撃します。これは海外での国際紛争上の武力行使ですので、憲法違反です。ですから、政府がこのように行動したいなら、憲法改正しなければいけません。憲法改正がされてない以上、安倍安保法制は、成立しても無効です。成立させてはいけません。

 さて本題にもどります。では、憲法改正してあの時の多国籍軍に参加できるようにすべきか?それは平和への貢献になるか?
 また湾岸戦争で考えましょう。自衛隊を含む多国籍軍の攻撃により、クエートからイラク軍は追い払われます。日本はクエートの感謝の対象に名前を挙げられます。多国籍軍の「名誉ある」一員となります。日本は、米英中露仏独豪韓と同じに、自国外でも武力行使をする国となりました。クエートから侵略したイラクを追い払ったという意味で平和への貢献にはなると思います。
 一方でそれは、国際紛争の武力的解決を目指さない、あくまでも平和的解決を目指す大国=日本国の消滅を意味します。

私は、湾岸戦争後のイラク戦争・テロの拡散・イラク国の失敗国家化・イスラム国の出現
・暴虐を考えると、武力による解決には、無理があると思います。武力以外の解決を目指す強力な国家がぜひ欲しいと思います。それは現在の日本です。貴重な存在です。

生物の多様な存在がなくなれば、全体に悪影響を及ぼすように、希有な存在・現日本国
がなくなれば、多様性が減ります。それは人類の滅亡の方向へ一歩進める道のように感じます。

何も日本は、米英中露仏独豪韓の真似をしなくとも良いと思います。武力による解決をする強力な国は、上述のようにいっぱいいるのですから。武力による平和への貢献をする国はいっぱいあるので、他の国に任せましょう。

日本には、武力で解決する方法の行きつく終局=原爆の経験があります。武力行使を国是とする米国に「押し付けられた」、国際紛争を武力で解決しないと決めた日本国憲法があります。湾岸戦争で定着した「金は出すが武力は使わない」と言う悪評?があります。これを利用しない手はありません。地下鉄サリン事件でのテロの怖さも知っています。世界は、日本の特攻隊攻撃も知っています。日本国家が間違った場合の日本国民の怖さを知っています。

そんなことから、日本国は、「武力解決の道はとらない」と言えば世界もわかってくれます。そうして期待してくれるでしょう。米英仏中露独韓豪と違う平和大国日本に。猿マネと日本は馬鹿にされたことがあります。日本は米英中露仏等のサルまねはしないことにしましょう。

安倍安保法制の成立阻止をすること=海外派兵をさせないこと、憲法改正をしないこと、これが先の戦争で殺し殺されたアジアの人々、原爆で亡くなられた人々、特攻隊員や南洋で餓死した兵士たち、沖縄戦の犠牲者たち、米国兵、その他大勢の人達への供養と思っています。

わだつみの声が聞こえる押し寄せる「戦争惨禍を再び見るな」と


まったく別件です。
私は明日から9日間、ヨーロッパ旅行に行ってきます。ブログは、しばらくお休みします。明日の戦争法案反対の全国統一行動にも参加できません。これまで政治的活動に参加しなかった人が参加すると言う電話を今くれました。反対の動きが確実に広がっています。安倍首相は、反対の声に押されて新国立の見直しを表明しました。同様に安保法制も国民の反対の声が大きければ、きっと自民党の中から造反者が出るでしょう。安倍と同類ですが、石破の発言がその兆候です。創価学会が批判を強くすれば公明もくじけるでしょう。


ブログを書いていますと、妻は、「遺言でも書いてるのか」と言います。なるほど。