わが意を得たり/普通に考えれば

今朝のネットで佐藤天彦将棋名人が、コンピュータに2連敗というニュースがあった。残念である。こうなれば藤井君に期待するしかない。人間がコンピューターに負けてたまるか(笑)

またネットで、現天皇が恒常的退位制度にしてほしいという気持ちをもっていたと知って、やっぱりと思った。普通に考えればそうなんだと思う。彼の言う通り、一代限りでは、わがままになっちゃうのである。お年寄りが仕事ができなくなった、やめさせてほしいというのは当然なのだ。(拙ブログ2017年1月11日「天皇退位は恒久的制度」で他参照)一代限りでは、現天皇も次期天皇がかわいそうじゃないか。ましてや、「宮中深く閉じこもって祭祀だけやってればいい」という連中は、天皇家の人々を人間とみてないんじゃないか。下手すると人間以上じゃなく人間以下とみてることになるかもしれない。

わが意を得たりという記事があった。朝日新聞の今日(5月21日)のフォーラムという欄である。「沖縄にある米軍基地についての考え」のアンケートである。もともとは、朝日新聞デジタルで行ったアンケートのようだ。

そのアンケート結果にびっくりした。

在沖(縄)米軍基地について、圧倒的多数が「沖縄を犠牲にしてまで必要とは思えない」「日本の防衛に役立っているとは思えない。なくしていくべきだ」という回答を寄せている。「日本の安全に不可欠。沖縄の負担はやむなし。」「安心につながるので維持した方がいい」という回答に対して約4倍の多数である。

また、沖縄の基地負担についてどうすべきかについても、圧倒的多数、「減らせる基地は減らし、本土でも引き取るべきだ」「基地そのものを減らすべきで、本土で引き取るべきではない」という回答を寄せている。「基地は沖縄に置くべきで本土で引き取るべきではない」「現在の規模の基地は必要で本土でも引き取るべきだ」の実に約倍の多数である。

まとめると、このアンケートに回答を寄せた圧倒的多数が、在沖米軍基地は「役に立っていない」、「沖縄の犠牲を引き換えにするほどに必要ではなく」、「減らすべきである」と考えていることがわかる。
わが意を得たり。私は、このアンケートの多数派に大賛成である。(拙ブログ2016年9月18日「辺野古が唯一の解決策」、そんなはずないだろう」参照)普通に考えれば、多く人がこう思うはずだ。

(再再再掲載)

政府は、「辺野古が唯一の解決策」といって、沖縄の民意を無視し、新基地を辺野古に作り始めている。しかし、このアンケート結果は、真逆である。この差はどこから来るのか。

このアンケートに答えた人は、朝日新聞デジタル版というものを見ている人たちだから、国民全体の傾向とは言えない。国民全体でアンケートを採ったら別な結果が出る可能性は、高い。

しかし、である。

多くの国民も、事実を知り、まじめにまともに考えたらこのアンケートと同じ考えになるのではないか。私はそう思う。0.6%の土地に、「有用」だが迷惑施設の70%を置く。この理不尽さは誰もがわかるだろう。
海兵隊は、機動力が持ち味故どこにいたって良い。こんなこともすぐわかるだろう。米軍基地全体が、侵略の抑止に役立っているかそれとも、戦争に巻き込む危険性が大きいか、これは簡単に言えない。「有用」とは簡単に言えないだろう。少なくとも、「沖縄の普天間基地海兵隊をなくしたって、軍事抑止力がなくなるわけではない」ということは、誰にも明白だろう。となれば普通に考えれば、多くの国民がこのアンケートに賛成するはずだ。

一旦は、この声が、政権の(すなわち多数派の)声になったことがある。あの鳩山由紀夫首相の時だ。

あの時点で、このアンケートの多数派の意見が、理屈もたち多数派だったのだ。勿論沖縄の県民意思にも合致する。あの時点で、民主党鳩山首相の「最低でも県外」は正しかったのだ。彼は、「日米合同委員会にしてやられた」なんて言っていた。(拙ブログ2017年1月16日「鳩山さんが応援にきた」参照)確かに、彼の覚悟のなさ、拙劣さは否めない。「抑止力を考えると辺野古へ」なんて心変わりして、首相をやめたが、抑止力云々は言い訳に過ぎない。彼も、ほんとはそう思ってないのではないか。

鳩山は、大きな失敗をした。

それにもまして大きな失敗したのは民主党民進党だ。なぜ正しいことが通らなかったかを検証し、それを天下に公表すべきだったのだ。鳩山政権のどこがまずかったか、障壁は何だったのか、それをきっちり検証し、国民全体に明示すべきだったのだ。沖縄県民と心ある国民は、それを了解し応援するだろう。このアンケートを見ればわかるだろう。普通に考えればわかるだろうから。

自公政権の「辺野古新基地」ができたとする。しかしそれはそれこそ「まったく」解決にならない。相変わらず不平等が残っている。その上、正しいことが通らなかった、自治体の意思は、中央政権に踏みにじられるという、政治不信の大きな負の遺産が残るのだ。

民主党民進党)は、大きな失敗をした。正しいことがなぜ通らなかったかを検証すべきだったのだ。それなのに見苦しい権力争いばかりして、バカとしか言いようがない。私は、少し同情はする。鳩山の翌年、大震災・原発事故が起きたからだ。政権がそれに全力を挙げるのは当然だからだ。しかしそれ以前[[、失敗の検証]]という姿勢はなかった。党自体の方針が、「辺野古が唯一」になっちまった。間違った考えに戻ってしまった。それでは、正しさが救われない。沖縄県民が救われない。国民の良識が救われない。

今からでも遅くない。今は野党だ、暇だろう。与党時代の失敗を検証し、天下に公表せよ。今度はこうすると公表せよ。沖縄については、少なくとも正しいことがなぜ通らなかったか、それを示せ。「最低でも県外は正しかった、しかしできなかった。ごめん。今度政権を採ったらこうする正しいことを実現するにはこうする。」と発表してほしい。沖縄差別撤廃、平等の実現、地方自治の実現にはそれしかないんだ

国民を信用せよ。国民がまじめに考えれば、このアンケートに答えた人の様な考えになるだろう。それが民進党の勢力拡大につながる。

ただし、私は民進党がどうなろうと自公維新がどうなろうと共産がどうなろうと知ったこっちゃない。沖縄については、差別がなくなればいいと思っている。憲法の理想が実現に近づけばいいと思っている。ただそれだけだ。