最近の読書

相馬のスタンデイングが久しぶりにお休みということで、名取で映画でも見ようと、出発しました。ところが、宮城県の山元町付近に来たら、かなりの雪が降ってきました。こりゃー、帰りが大変だということで、逃げかえってきました。

それでは、ジャガイモの植え付けの準備でも、と思ってましたが、昨日までと違いかなり寒い。外は、マイナス1℃です。行きたくないなあ。そのうち、相馬でも雪が降ってきました。


さてと、どうしましょうか。そうだ、図書館から借りた本の返却時期が迫っている。ということで、感想を書くことにしました。読んだ順番に書くことにしました。


佐伯泰英「声なき蝉」(上下)
大連続長編小説「居眠り磐音」の続編。ただし、主人公は、磐根の息子空也である。薩摩藩示現流を知りたいために密入国するという冒険小説。読んでいるうちは、まあ、面白い。

柴田よしき「春子さんの冒険と推理」
yonnbabaさんのブログで知った本。プロ野球の選手(主として2軍選手)と、その家族の普段の生活というのがすこしわかり、興味をひかれた。身近なところで起きる不思議なことを、元看護士の春子さんが推理で解決する話が楽しい。私が一番よかったなと思うのは、3つ目の話。この話は、女性の生き方というが中心じゃないかな。夫を愛しつつ「自分の人生の真ん中に立つのは、自分」と考える春子さんは、さわやかでした。

河合雅司「未来の年表」
1.多くの資料を使って、今後の日本の少子高齢化の詳細を示している。
2.その示し方が、2018年国立大が倒産の危機。2027年輸血血液が不足、2040年自治体の半数が消滅の危機‥等というように、興味深く記述している。
3.ほんとにそうなるかどうかは分からない。しかし、ずっと少子化が進んできたので、概略は、当たるのではないかと思う。
4.対策の基本として「戦略的に縮む」という言葉は魅力的だが、その中身は、いまいち不明。
5.筆者は、外国人労働者を入れることに警戒感を持っているが(「2065年外国人が無人の国土を占拠する」章等)、外国人労働者をどのようにうまく入れるかを考えるべき。私はアメリカを思う。建国時は400万だか600万であった。米国の発展は、その後の移民のおかげである。日本列島に住む人人も、2次にわたる巨大な移動とその後の朝鮮等からの渡来人で構成されてきた。筆者の「日本人がいなくなる」という危機感は、どうも偏っている。日本人というものをしっかり定義してあるいは認識して論を展開してもらいたいものだ。
6.筆者の少子高齢化の対策で「高齢者に働いてもらう」(「高齢者を削減)の章)というのは、正しいと思う。強制的でなく、無理なく楽しく働いてもらう方策を考えるべきである。
7.いろんな施策の財源をどうするかでは、「社会保障費循環」という考えも、一考の価値があるかもと思った。
8.少子高齢化の問題は、膨大な借金と並んで、緊急のもっとも大きい問題であり、国民と国会・政府はもっとまじめに考えるべきと思った。憲法改正なんて、安倍内閣とその一派が本気なだけで、屁の役にも立たないことである。仕事をしているふりをしているだけである。もっとまじめにやれ。野党もちゃんとした少子高齢化と借金についての施策を出せ。特に財源。

中野信子サイコパス」(ブログ知友numapyさんの紹介)
1.世界の、サイコパス研究の現在の知見を紹介している本である。筆者の、体系的なサイコパスについての考えは伝わってこなかった。
2.筆者は脳科学者で、昔の言葉で言えば、解剖学的立場を重視している。だからこそ、サイコパスは、治癒不能という考えになる。脳のどの部分の、何とかという物質がこういう影響をもたらしているという考えに立脚している。そうなんだろうけど、面白くもないな。人間は、ロボットか。
3.サイコパスになぜなるか、遺伝か環境か、という点では、どちらも認めつつ基本的には遺伝という立場をとっている。それはそうかもしれないが、面白くない。遺伝でも環境でもない
主体的自我というものはないのか?
4.まるで、サンデル教授の倫理学に使われる命題のような状況設定は、面白かった。
5.織田信長毛沢東マザーテレサJFK・ビルクリントンビルゲイツサイコパスじゃないかという説、そうかもと思った。サイコパスも人類には、ある面有用と思った。筆者のサイコパスとうまく共存すべきという考えには賛成。
6.サイコパスの多い職業・・CEO・弁護士・マスコミ・セールス・外科医・警官・聖職者、少ない職業・・介護士・看護師・療法士・技術者・美容師・慈善家・教師とあったが、へえーと思いつつ、そうかもとも思った。同じ医者でも、外科医は、サイコパスが多い、内科医は少ないというのには笑った。なるほど。面白い。