総理が「不戦の誓い」宣言(「虚人の星」より)

近頃、足の甲の古傷が痛む。数年前転んだ時の小さな骨折2か所である。今朝は、散歩途中から引き返した。

 

腰も痛い。これは、昨日からの農作業ゆえである。

 

なんと本日、ジャガイモを植えてきた!!キタアカリである。例年より一か月弱早い。

 

一昨日、ホームセンターコメリに行ったら、キタアカリの種イモが半額で売っていた。

この物価高に、「よーし」という事で、これを購入、昨日と今日でおよそ3キロ植えてきた。

 

それにしても化成肥料は、高くなった。一年前2000円程度だったものが、3500円である。円安とロシアの侵略戦争のせいである。牛糞・鶏糞を多く投入して、化成肥料はごくごく少々にした。

 

以下読書感想。

 

虚人の星(2015年、島田雅彦)を読んだ感想を少々。少々ネタバレ。

前に感想を書いたパンとサーカス(2022年)の前奏曲のような小説であった。

これも、日本国の米国従属からの離脱を目指す話。こちらは、総理の反乱という手法である。

 

普段は、米国従属路線の自国党(勿論自民党の事)の言いなりで、たまにもっと強硬な主張をしたりする総理(3世総理)が、ある時、画然目覚めて、全閣僚や出身与党・官僚を欺き、国民に直接「戦前の侵略の反省、憲法尊重、不戦の宣言、中国との協調」を発表すると言う話である。

 

最後に総理は言う。「俺は政権から引きずり降ろされる。その時解散総選挙に持ち込んで自国党をぶっ潰す。俺は確かに党を裏切ったが、この国を二度と敗戦させないという公約は守る。・・・俺は野党連合の顔になってやる。それに国会だけが政治の場じゃない。俺には強い味方がある。反戦デモに参加している国民も天皇陛下もスパイも俺を支持してくれるだろう」

 

安保法制反対の運動が盛んだった、2015年の著作らしいねえ。

 

あの時、野党は解散総選挙に持ち込むべきだった。野党が議員辞職して国民の信を問えばよかったと今も思っている。

 

a0153.hatenablog.com

 

総理は、中国との二重スパイの秘書(実は総理の異母弟)にうごかされて、謀反を起こすのであるが、この兄弟、二人とも多重人格なのである。虚人とは、多重人格の人間、という事である。

 

どうしてこの総理、謀反を起こすか。総理はこう考える。

「米国は、尖閣問題で、日本に深くは、肩入れしない。相手は核保有の中国。しかも尖閣に米国の直接の利害関係はない。尖閣で日中が戦った場合、日本は中国に勝てない。少なくとも10年、20年後は絶対勝てない。負ける。

日中衝突の時、米国は、調停者として登場し、戦後の東亜秩序の中で、大きな役割を果たすつもりだ。米国は、中国とはウインウインの関係を目指す。尖閣を取られ、負けて損するのは日本のみ。故に中国との協調路線に転換した方が得策。日米安保を保持したまま、日中平和友好条約を強化するのが得策」

 

私は、この「総理」の考え、十分あり得ると思った。

 

私は、総理の、謀反演説に少し感動した。

あのチャップリンの映画「独裁者」の、最後の場面=独裁者の偽物(チャップリン)の兵士たちへの演説「君たちは機械じゃない。独裁者に従うな。民主主義の為団結せよ」ほどじゃないけどね。

 

この小説は、映画「独裁者」ほどの説得力はない。また、同じ趣向の、「パンとサーカス」の方が、面白かった。前に読んだ「パンとサーカス」がこの「虚人の星」の進化型と言えそうだ。

 

それにしても、日米安保体制の深化はすごい!小説上で、多重人格やら(「虚人の星」)、2重スパイ・右翼フィクサー・やくざ・預言者・テロリストやら総動員(「パンとサーカス」)しないと、脱却できないほど、日本国は、日米安保体制にのみ込まれているねえ。日本国民の洗脳が進んでいると、俺は思っている。

 

 

米国、そんなに信用していいの?できるの?日本、損しないの?

日本の頭越しの米中国交回復わすれたかい。あれは吃驚した。

原爆・都市空襲・ベトナム戦争イラク戦争国際法違反忘れたのかい。チリの合法的アジェンデ政権をクーデタで倒したこと、パナマ侵攻等々、俺は、米国を信用できないな。

 

尤も国家の利益優先だから、どこの国も、そういう行動はありうると思っている。ただねえ、米国が、日本国のために、どんな場合でも行動するなんて思うのは、危険すぎる。甘すぎる、そう思っている。ずぶずぶは、よした方がいい。