いろいろな終わりの日に/ドイツ人の加害と被害

昨日10月31日は、いろんな意味での最後の日でした。

大きいのは、プールの終了です。妻は21年余、孫娘は2年余継続したプールがなくなります。その原因は、東日本大震災、数年前の2年連続の震度6強の大地震でした。

この地震で、プールの建物が壊れ、改修や新築の費用が数億円に上りました。これで経営者が諦めました。

小さいことで最後なのが、私の「池の草刈り」のボランテイアです。月1回やりました。来年4月までお休みです。

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昨夜は、ささやかなハロウインパーテイをやりました。私は、自家製のカボチャによるこわーい顔を作りました。ろうそくを入れて電気を消すと迫力があります。

 

夕食は、今シーズン初めての鍋でした。妻は今日からスポーツジムに通うことになります。終わりは始まりでもあるんですね。

 

話は変わりますが、

 

 

NHK映像の世紀で、「二つの敗戦国ーさまよえるドイツ人」を見ました。

敗戦時のドイツ国民の被害を描いていました。

 

東欧(ポーランドチェコ等)のドイツ植民地からドイツ人が追放処分となり、彼等は、故郷と家を失いました。その総数1500万人。そして母国に帰る途中での餓死・病死で大量に亡くなりました。彼等は母国に帰っても居場所がなく、在来のドイツ国民に邪魔者視され、苦難の道を歩みます。

 

かつてのユダヤ人収容所に、逆にドイツ人が入れられ、ユダヤ人の所長等から、ひどい虐待を受けたことも描かれていました。収容所でなくとも、各地でドイツ人が、他国民から虐待されるということが多発しました。殺害もされました。これらは犯罪です。

 

加害者(ドイツ)が被害者に、被害者(ポーランドチェコユダヤ人)が加害者になったわけです。

 

ナチスの所業を見れば、復讐心が湧くのも当然であると思います。一方そこまでしなくても、とも感じました。どちらの加害も重大犯罪です。

 

このようなドイツ人の被害は、ナチスドイツの加害の甚大さという面に隠れて、また、東独では社会主義陣営の結束を優先(東独では、ポーランドチェコの同盟国故、彼らの加害を問題視できない)という事情に隠れて、表面化せず(できず)、無視され続けてきました。

 

番組では、この二つの犯罪の双方の謝罪、和解が描かれてました。

 

きっかけは、1963年からのアウシュビッツ裁判です。これは、ナチスが行ったユダヤ人虐殺をドイツ人自らが裁いた裁判です。1945年のニュルンベルグ裁判は、連合国が行った勝者による裁判です。

 

これは、ドイツ国民のナチスの犯罪に対する深い反省を促しました。

その流れでしょう。ドイツの政治の最高指導者も、ゲットー(ユダヤ人を閉じ込めた地域)での謝罪を行い、やがてこれはワイスゼッカー大統領の有名な謝罪演説につながります。

 

また1990年の東西ドイツ統合は、社会主義というくびきを外し、ポーランドチェコでのドイツ人迫害を表面化します。

 

それは、ポーランドチェコでの「ドイツ人に対する加害」の反省を促します。政治指導者もこれを表明します。

 

一方、ドイツでの「ドイツ人の被害」の顕在化は、ドイツ国内での極右の台頭をもたらす一因となったと番組では言っていました。

 

難しいものですね。

 

それにしても、ドイツ人自身によるドイツの犯罪の裁判、それを受けての政治指導者の自国の加害への反省表明、これがヨーロッパの安定に大きく貢献したと思います。

 

いいなあ。

 

それに比べて日本。日本人の手による、「大日本帝国のアジア人への加害や犯罪」ついての裁判はありません。

 

そういうと、「戦勝国によるAからC級裁判があった、ナチスによるユダヤ人虐殺のような犯罪はなかった」という人がいると思います。また、日中戦争での中国人死者1000万から2000万は、戦争中の話しで、仕方のない事という人もいるでしょう。

 

しかし、どうでしょうか。

 

日中戦争の発端の満州事変は、関東軍の自作自演でした。日本による傀儡国家満州国の承認。世界がこれを認めないので、満州国の自衛のため(集団的自衛権行使)という大義名分で起こる日中戦争です。

 

これは明らかに中国への内政干渉、自国勢力扶植という侵略でしょう。国際法違反です。中国の領土保全・主権尊重を認めた9か国条約違反でもあります。

 

この次は、敗戦国日本が番組に登場します。どんな扱い・解釈をするのか興味があります。