イヨンヒ「天武と持統」

記紀万葉の難読歌は、古代朝鮮語で書かれているという仮説で読み解いた本。古代朝鮮語で読むと歴史の秘密がわかるというのだ。 この本では、天武が朝鮮の軍人で、子どもに殺されるということになる。持統天皇と文武天皇は、恋人同士ということになっている。…

用心棒日月抄

この小説は、藤沢周平の傑作であると思う。傑作と言っても娯楽という面でである。藤沢周平には、シリアスな短編が数多くある。それは本当に人生の重みを表現していて鋭い。しかしこれらは、読んでなるほどと納得させられるものの、重たいものである。気合を…

「忘却の河」再読

40年弱ぶりに再読した。久しぶりに文学を読んだ感じがした。感想を述べる。20代の中ごろ読んだ感想がこの本には書いてある。貴重なものだ。それと今現在の感想をくらべてみるのも面白いと思うから。(1)この本は、愛の本だ。(あ)親子の愛。 娘二人は、…

近頃読んだ本(夏樹・和久・宮沢)

一応備忘録のつもりで、近時初めて読んだ本の印象を書いておく。 まずは、夏樹静子の「Мの悲劇」。まあ面白かった。夏樹静子を読んだのは、初めてではないか。特に日記の特性ー他人に見られることにより、他人に影響を与えるという機能ーを使ったストーリー…

友情と愛と幽霊と青春と京都ー活動写真の女

浅田次郎の青春もの。何といっても俺と同じ時代の青春故=浅田次郎も同じ=面白い。 昭和44年京都大学に入学した人が主人公=語り手だ。おれもその同じ年東北大学に入学した。学生運動が激化し、東京大学が入試中止をした年である。東大入試があれば、主人…

浅見光彦が一番愛した女性ー平家伝説殺人事件

内田康夫の推理小説の主人公浅見光彦が一番愛したのは、「平家伝説・・・」の佐和でしょうね。浅見が積極的に好きという気持ちを表したのは、おれの知る限り、佐和に対してだけだ。キスをしたのも彼女だけと思う。ただし、すべてを読んだわけではないので確…

甘い甘い幸せな恋愛=「若き日の思い出」

武者小路実篤の「若き日の思い出」を約40年ぶりに読みました。20代前半何かで落ち込んでいた時、元気づけられた一書です。若かったあの頃、話がうますぎる、そんなことあるはずないと思いながら、それでも癒された小説でした。 40年後の今日読んでみて…